「あん」ドリアン助川さんの小説が心にしみる
何気なく手に取って読み始めた小説、ドリアン助川さんの『あん』
数ページ読んだだけで引き込まれ
あっという間に読んでしまいました。
『あん』のテーマは深く重たいものがありますが
文章が魅力的で、読んでいて物語の映像が
頭に浮かんできてしまいます。
長瀬敏明さんと樹木きりんさんで映画化されましたが、近くの映画館では上映されず、とても残念でした。
どら焼屋の店主と、らい病を患っていた老夫人のお話ですが、現代に生きる人の心のヒダや過去の病によって今も偏見の中に生きる老婦人…その2人の接点が「あん」。
そう、どら焼の「あんこ」です。
この本を読むと、久しぶりに美味しいあんこが食べたくなります。
読後感は爽やかで、誰かに紹介したくなるような本でした。